いのちといのちの橋渡し 臓器移植コーディネーターになるために

 

皆さんは臓器移植コーディネーターという職業をご存知でしょうか。

この職業は臓器移植に携わることができる唯一の医療専門職です。

どんな職業なのかを今回はご紹介していきます。

 

臓器移植とは

重度の疾患や事故により臓器の機能が低下した人に対して他者の健康な臓器と取り替え、機能を回復させる医療のことを言います。

現在の日本では、心臓・肺。腎臓・肝臓・小腸・造血幹細胞・骨髄・角膜が臓器移植法により移植が可能な臓器となっています。

JOT(日本臓器移植ネットワーク)の報告によると、2019年における臓器提供数は年間126 件、移植件数は年間480件にのぼります。

 

臓器移植コーディネーターとは

臓器提供者(ドナー)と臓器提供受給者(レシピエント)をつなぐ臓器移植に関する医療専門者が臓器移植コーディネーターと言われています。

臓器移植コーディネーターには大きく2つの仕事があります。それがドナーコーディネーター(プロキュアメントコーディネーター)とレシピエントコーディネーター(クリニカルコーディネーター)と言われる仕事です。

 

臓器移植コーディネーターの仕事

ドナーコーディネーター

ドナーコーディネーターは臓器提供者側で主に働きます。具体的には、 臓器提供者(ドナー)としての可能性がある患者の家族に対して、臓器提供に関する情報提供を行い、臓器提供について最終的な意思決定ができるよう支援していきます。病院スタッフと共に、ドナー家族の精神的支援をおこなっていくことも移植コーディネーターの役割として大変重要と言われています。

現在、日本では臓器移植コーディネーターはドナーコーディネーターを指すことが多いです。

臓器提供者(レシピエント)のその後の経過について、臓器提供者(ドナー)の家族や主治医、医療スタッフに報告することも重要な任務となっています。

また、臓器移植に関する正しい情報を普及することも行っているようです。

レシピエントコーディネーター

レシピエントコーディネーターは臓器移植を受ける可能性のある患者が、自由に意思決定できるように移植に関する情報を提供し、移植を受けたあとの自己管理に向けた教育や退院後も外来で継続してケアを行います。また、レシピエントの看護にあたる看護師の教育・指導、病院施設内・外との連絡調整も行います。

 

臓器移植コーディネーターの活躍の場

臓器移植コーディネーターは所属に関して2種類に分けられます。

一方は日本臓器移植ネットワークで募集行っている「日本臓器移植ネットワークドナー移植コーディネーター」です。日本臓器移植ネットワークで認定・採用を受けたのち、各地の病院に配属されます。

もう一方は 日本臓器移植ネットワークから委嘱を受けた「都道府県ドナー移植コーディネーター 」(都道府県コーディネーター)(院内コーディネーター)です。こちらは各県に1名以上任命されており、全国では約50名が臓器バンクや医療施設に配属されています。

 

臓器移植コーディネーターになるために

臓器移植コーディネーターは、日本臓器移植ネットワークで募集を行っています。

応募資格としては以下のようになっているようです。

  • 医療分野・福祉分野での実務経験者 (保有資格例:医師、看護師、臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師、薬剤師、臨床心理士、社会福祉士 等)
  • 医療業界での営業等経験者 (例:医療機器メーカー、製薬会社 等)
  • 4年生大学卒
  • 普通自動車運転免許保有者

出典:日本臓器移植ネットワーク

上記の条件はまず一般職として入職する時の条件のようです。

臓器移植コーディネーターになるには、入職後さらに以下のことが必要になります。

1.日本の医師免許もしくは看護師免許を有し5年以上の臨床経験を有すること.。

2.申請時において日本移植学会を始めとする臓器移植に関連する学会ならびに研究会の会員として 学術活動に参加していること。

3.別に定める実績要件を満たしていること。

4.日本移植学会および関連する学会・研究会の学術集会に3回以上参加していること,ただし日本移植学会学術集会に1回以上参加していること.。

5.日本看護協会または日本移植コーディネーター協議会の主催する研修を受講していること(計 3 日 間以上)。

6.合同委員会が認定する別に定めるセミナー,講習会などを1回以上受講していること(5.を含めな い)。

引用: レシピエント移植コーディネーター認定制度規則

 

臓器移植コーディネーターの待遇

臓器移植コーディネーターはどのくらい給与がいいのか、気になるところですよね。

実際の公募要項から見てみましょう。

引用:臓器移植コーディネーター公募要項(勤務地限定)

こちらを見ると基本給は25歳で225,800円のようです。また、年収は350~450万円程度(各種手当を除く)と言われているようです。

また大学を卒業し、臨床経験が5年になる医師の場合の年収は年1,078,100円になります。

看護師は大学卒業後に臨床経験を5年経た場合、年収は325,800円になります。

出典:平成30年 賃金構造基本統計調査 厚生労働省

これらのことから、臓器移植コーディネーターは看護師とさほど変わらないようです。

 

臓器移植コーディネーターの今後

改正臓器移植法によって臓器移植の件数は増えていますが、専業の移植コーディネーターはいまだ少数のようです。

移植コーディネーターは不定期で数名の募集のみとなっています。

今後、移植医療がさらに発展していくにつれて移植コーディネーターの募集は増加していくのではないでしょうか。

 

 

緊急時はオンコールもある臓器移植コーディネーター。

全国を飛び回ることもしばしばです。

しかし臓器移植に関わることができる唯一の専門職です。

臓器移植に深く携わりたい方はチャレンジしてみてもいいかもしれませんね。