「がんや先天性心疾患などの患者さんの相談に乗り、遺伝が原因かを調べて支援したい」
「遺伝によって発症する疾患の患者さんを、心理的・社会的にサポートしたい」
「より患者さんの立場に寄り添った仕事をしたい」
と思う看護師さんも、いらっしゃるのではないでしょうか?
医療従事者と連携しながらも、患者さんに寄り添う職種は、看護師だけではありません。
「遺伝カウンセラー」は、患者さんの心理的・社会的にサポートする職種の一つです。
今回は、そんな遺伝カウンセラーについて、役割や給料、遺伝カウンセラーになるにはどうしたら良いか、資格、仕事内容などについて紹介します。
遺伝カウンセラーとは

意味
遺伝カウンセラーとは、日本遺伝カウンセリング学会HPによると、
「質の高い臨床遺伝医療を提供するために、臨床遺伝専門医と連携し、遺伝に関する問題に悩むクライエントを援助するとともにその権利を守る専門家」
と定義されています。
遺伝医療は、
「遺伝医療とは広義の遺伝病患者およびその家族を対象に,診断,治療,長期にわたるフォローアップ ,予防,および遺伝カウンセリング等を行う包括的,学際的医療である.」
と定義されています。
(引用:「遺伝医療,遺伝カウンセリングとバイオエシックス」黒木良和、2004年)
役割
遺伝カウンセラーは、医師ではないため、医療技術の提供や研究を行う立場ではないそうです。(医療行為はありません)
遺伝医療を必要としている患者さんに対して、遺伝カウンセリングに関する不安・疑問などを相談できる存在として、医療情報の提供や心理的・社会的のサポートを行います。
医師の説明を分かりやすく補充したり、患者さんが医師に言いづらいことを代わりに伝えたりする役割もあるそうです。
遺伝カウンセラーになるためには?

資格
現時点では、遺伝カウンセラーに、国家資格はありません。
ここでは、学会認定の資格(民間資格)についてご紹介します。
・認定遺伝カウンセラー
「認定遺伝カウンセラー」は、日本遺伝カウンセリング学会と日本人類遺伝学会が共同認定する資格です。
資格取得後は、要件を満たしたうえで、5年ごとに資格の更新ができるそうです。
詳しい要件については、認定遺伝カウンセラー制度委員会HPにて、ご確認ください。
認定遺伝カウンセラーになる過程
認定遺伝カウンセラーは、日本で約230人しかいないといわれています。
そのうち、常勤で働いている方は、約50%だそうです。
現在、遺伝医療が発展し、重要性が増してきているのに対して、
遺伝カウンセラーは人数が少ないため、需要が高いといえるでしょう。
遺伝カウンセラーってどのくらい給料をもらえるの?

平均月収…17~22万円
平均年収…約450万円
初任給…20万円前後
賞与…年2回(約4か月分)
昇給…年1回
手当
- 資格手当
- 通勤手当
- 住宅手当
- 研究手当
など
勤務先、年齢や経験などによって、給料や手当などは変わります。
遺伝カウンセラーの仕事について

仕事内容
遺伝カウンセラーの仕事内容は、
遺伝に関する相談者の相談に乗り、医師よりも患者の目線に近い立場で、情報を提供して、相談者の悩みや不安を軽くすることです。
具体的にどのようなことをしているのか、まとめてみました。
1日の流れ
遺伝カウンセラーは、病院、不妊クリニック、製薬会社など様々な場所で活躍できるといわれています。
遺伝カウンセリングの手順
まとめ
今回は、遺伝カウンセラーの基本情報について、まとめてみました。
近年、ゲノム医療や遺伝看護など、遺伝に関する医療が発展してきています。
そのため、遺伝カウンセラーの需要もさらに増していくでしょう。
遺伝カウンセラーになりやすい職種の一つに、看護師があります。
- がんや先天性心疾患などの患者さんの相談に乗り、遺伝が原因かを調べて支援したい
- 遺伝によって発症する疾患の患者さんを、心理的・社会的にサポートしたい
- 患者さんの立場に寄り添った仕事をしたい
と思う看護師さんは、遺伝カウンセラーに向いているかもしれませんよ!
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