「認知症」を、
「物忘れが多い」
「お年寄りの方病気」
といえば、「=認知症」と認識している方は多数いらっしゃるのではないでしょうか。
確かに、認知症は高齢になるほど、発症する可能性が高まります。
実際のところ、認知症になるのは、お年寄りの方だけではありません。
「若年性アルツハイマー型認知症」
という言葉に聞き覚えはありませんか?
2018年秋クールに、TBSテレビで放送された
『大恋愛~僕を忘れる君と~』で、
取り上げられていた主人公の女医さんが、30代という早さで若年性アルツハイマー型認知症を発症しました。
この若年性アルツハイマー型認知症は、認知症の一種です。
今回は、認知症の基本や認知症の方との関わり方、対応、アセスメント、認知症ケアなどを紹介します。
ここで、認知症の基本をしっかり把握しましょう!
認知症の大枠をつかもう!

意味
認知症とは、厚生労働省によると、
「いろいろな原因で脳の細胞がしんでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態(およそ6ヶ月以上継続)」
(厚生労働省「認知症の基礎~正しい理解のために~」より引用)
と定義されています。
一般的に、65歳以上の高齢者が、発症することが多いです。
64歳以下で、認知症を発症した場合、「若年性認知症」となります。
種類
- 脳血管性認知症
- アルツハイマー型認知症
- レビー小体型認知症
- 頭部外傷後遺症
- 前頭側頭型認知症
- アルコール性認知症
など、様々な種類があります。
この中でも、
「脳血管性認知症」「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」の原因疾患(アルツハイマー病やレビー小体病など)が、認知症を引き起こす割合が高いといわれています。
症状・症例
認知症の症状は、大きく分けて2つあります。
周辺症状は、認知症の行動や心理的な症状を表す
「BPSD(Behavioraland Psychological Symptoms of Dementia)」
と呼ばれることもあります。
認知症の方とのかかわり方とは?

コミュニケーションのとり方
上記の方法で、コミュニケーションを取るようにすると、
認知症の方が、不安・焦燥感などを感じにくくなるでしょう。
対応(具体例)
困ったときの対応例として、
「同じ話を繰り返すとき」「徘徊するとき」「攻撃的になるとき」をご紹介します。
後述の「認知症ケアの知識を深めよう!」でも、認知症ケアについて記載しています。
ほかにも、認知症に効果的なケアとして、「音楽療法」があります。
音楽療法とは、楽器の演奏や音楽鑑賞を通して、ケアを実践することです。
気になる方は、
『音楽を用いて楽しくケアしよう! 音楽療法士のあらまし』をあわせてご覧ください。
認知症のアセスメントを知ろう

アセスメントをきちんと行うためには、情報収集することが大切です。
認知症の方の発言や行動、ご家族様から得た情報などを、チーム内で共有することで、ケアの向上につながるでしょう。
アセスメントを行うときの流れについては、『これで完璧!情報収集からアセスメントをするまでの流れと解説』をご確認ください。
アセスメントツール
DASC(Dementia Assessment Sheet in Community-based Integrated Care System)は、「地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート」です。
認知症の方をアセスメントする時に、しばしば用いられます。
♢DASC-21の項目
(dasc.jpの「DASC-21シート最新版」を参考に作成)
表の項目を
①「感じない / まったくない / 問題なくできる」
②「少し感じる / ときどきある / だいたいできる / 見守りや声がけを要する」
③「感じる / 頻繁にある / あまりできない / 一部介助を要する」
④「とても感じる / いつもそうだ / まったくできない / 全介助を要する」
の4段階で評価し、点数をつけます(各1~4点)。
合計点や、項目ごとの変化を観察していきます。
対象者(認知症の方)をよく知るご家族、看護・介護者に、日常生活の様子を聞きながら、評価を行うそうです。
対象者が一人暮らしの場合(ご家族、親戚がいない場合)、対象者本人に日常生活について質問しながら、調査する方の判断により、評価を行うそうです。
アセスメントツール「DASCー21」は、認知機能・生活機能などを評価できます。
「DASCー21」の詳細については、以下のサイトにて、ご確認ください。
「dasc.jp」
♢課題分析(アセスメント)に関する項目
「課題分析(アセスメント)に関する項目」は、
アセスメントを行うときに用いられる「課題分析標準項目」の一つです。
(参考:厚生労働省HP)
アセスメントする際のポイント
- ご家族、ほかのスタッフからの情報を集める
- 認知症の方のペースに合わせて、一緒に考えていく姿勢で対応する
- 認知症の方の状況を具体的に聞いて、様々な角度から分析する
など
アセスメントは、看護記録の分析手法の一つである「soap」の「a」にあたります。
「soap」の書き方については『看護師を目指す人は必見!看護記録soapの書き方』を参考にしてみてください!
認知症ケアの知識を深めよう!

認知症ケアを、3つ紹介します。
認知症ケアの種類、認知症の方との関わり方を知りたい方は、関連記事を含めて、ご覧ください。
認知症ケア①【バリデーション】
「バリデーション」は、「認知症の方を否定せず、受け入れて共感する」という考え方から、成り立っている認知症ケアです。
言葉だけでなく、ボディタッチやアイコンタクトなど、言葉に頼らないケアもあります。
「バリデーション」については、
『バリデーション療法で認知症の方とのコミュニケーションを円滑に!』をご覧ください。
認知症ケア②【パーソン・センタード・ケア】
「パーソン・センタード・ケア」は、
認知症の方を一人の人間として尊重して、その人の視点・立場に立って、理解し、ケアを行うという考え方です。
「パーソン・センタード・ケア」については、
『認知症ケアに有効!「パーソン・センタード・ケア」の基礎』をご覧ください。
認知症ケア③【ユマニチュード】
「ユマニチュード」は、
知覚・言語・感情で、包括的なコミュニケーションから基づいたケア技法のことです。
フランスで発祥した「ユマニチュード」には、「Humanitude;人間らしさ」という意味があります。
「人間とは何か」「ケアとは何か」という哲学に基づいた考え方で、「その人らしさ」を尊重してケアを行う方法です。
「ユマニチュード」については、
『誰でも実践できる!認知症ケア技法「ユマニチュード」を習得しよう!』をご覧ください。
まとめ
認知症の意味や種類、コミュニケーションの取り方などの基礎を、再確認できましたか?
認知症の方との関わり方に困ったとき、今回の記事のことを思い出して、意識してケアを行ってみてくださいね!
また、関連記事に記載している認知症ケアを実施すると、「認知症の症状が緩和された」と、いわれています。
今回の記事を読んで、さらに興味を持った方、認知症の知識を深めたい方、認知症の方に効果的なケアの方法を知りたい方は、ぜひ関連記事もご覧ください!
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