あなたは大丈夫? 看護師が発症しうる病気”うつ病”とは

看護師さんのお仕事は体力的にも厳しいですが、命を預かる現場なので精神的なタフさが要求される一面もあります。

また、医療スタッフや患者さん、その家族とのコミュニケーションが必須であるだけに、人間関係で悩む看護師さんも多いのではないでしょうか?

精神的な負担が大きくなれば、うつ傾向になることも少なくありません。

そんな看護師さんのうつ病について調べてみました。

今の職場・仕事は精神的につらいと感じている看護師さんや、これから復帰を考えているけれど不安を感じている方まで、ぜひチェックしてみてください。

そもそもうつ病って?

うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。

厚生労働省の「みんなのメンタルヘルス」というページで、うつ病をこのように定義しています。

その症状として…

・眠れない
・食欲がない
・1日中気分が落ち込んでいる
・何をしても楽しめない

といったことが続くとうつ病の可能性があると記述されています。

知らないうちにうつ病予備軍
うつ病になりやすい要因は?

うつ病は、ストレスなどの心労や過労などから精神のバランスを崩すことなどで起こる心の病です。

そんなうつ病を、看護師さんが発症しやすくなる要因を紹介します。

新人ナースの場合

新人のうちはとにかく覚えることが多く、慣れない業務の合間に勉強しなければならず大変です。

また、師長や先輩ナースからの小言や叱責、患者さんからのクレームと気が休まらない人間関係もツライものです。

不規則な勤務に生活リズムを合わせることになれるまでは、体力的に厳しいことも原因のひとつです。

ベテランナースの場合

ベテラン看護師さんになれば、仕事に慣れてくるのでストレスも減るように感じますが、仕事ができるようになればなったで、責任感や業務過多といった新たな問題が発生します。

他にも、プリセプターなどで新人教育を担当する場合にも、通常業務をこなしながら教育を行うのはとても大変です。

それでなくても新人教育というのは難しいものなので、ストレスの原因になってしまいます。

また、師長や医師と新人や後輩との間に挟まれて、人間関係が辛いという看護師さんも多いようです。

環境による要因

ずっと勤務していた現場から異動や転科で職場が変わってしまい、環境の変化で強いストレスを感じる人も多いようです。

仕事内容そのものが大きく変わったり、やり方やルールがその職場独特のものであったりすれば、馴染むまでプレッシャーを感じることも精神的に負担です。

発症する割合はどれくらい

厚生労働省が3年ごとに行っている患者調査でも、うつ病患者は近年急増していると指摘されています。


厚生労働省「患者調査」より

2014年の日本の総人口は1億2370万人、そのうち医療機関を受診したうつ患者が72万9千人なので、総人口の0.58%に当たります。

つまり約170人に1人がうつ患者だということです。

先程も述べたように医療機関を受診しないうつ患者も多いことと、双極性障害(躁うつ病)や気分変調症などは含まない数値なので、気分障害と言われる精神疾患の患者はさらに多くいるものと思われます。

看護師に限定したうつ病患者数は把握できませんでしたが、日本看護協会の調査で1ヶ月以上の病気休暇を取得した看護師の3分の1がメンタルヘルスの不調が原因だったそうです。

もし発症してしまったら…

医療機関でうつ病と診断される、あるいは仕事を続けられないと感じたら、治療や療養が必要になります。

そのためには休職や退職、もしくは転職をしなければなりません。

休職・退職に必要な手続きを紹介します。

診断

まずは精神科や心療内科を受診し、うつ病である旨の告知を受け休職や退職が必要と記載された診断書を作成してもらう必要があります。

休職を願い出た際に診断書を要求されることもあります。

休職手続き

診断書と休職願いを職場に提出します。

必要な書類は職場によって違いますので、勤務先の労務管理担当者などに尋ねて、規定に従って提出しましょう。

その際に、休職期間なども話し合う必要があります。

他にも、有給を消化しておくといったことや、休職中に傷病手当などが支給されるか確認しておくことも大事です。

うつ病を乗り越えて…
現場復帰した方からの声

では、実際にうつ病を発症した看護師さんの体験談を紹介しましょう。

うつ病で休職してから一年になる看護師です。
復職できるめどが立たないまま三か月が過ぎたとき、職場に申しわけないので辞めたいと院長に申し出たことがありますが、
「大切なスタッフの一員なので別のスタッフを雇うつもりはない、必ず戻ってこられると信じている」といってくれました。
主治医や主人は、家事、育児もあるので仕事は無理にしなくてもよいと言いますが、病気が軽快してくるにつれ、社会から取り残された感じがするのも事実です。
休職から半年後に一回1~2時間ほど、主に患者さんに接しない雑用から始めてみました。
事務方の主任は、「うつ病は珍しい病気ではないのだから、協力していくのはあたりまえ」といってくれており、職場の理解はとてもありがたく、恵まれているなと思っています。

出典:地域精神保健機構「働くということ」

復職

休職から復帰するには、職場の医師や休職にあたって診断書を作成してくれた医師に相談して決めましょう。

また、体験談にもあったように、いきなり休職前と同じ忙しさで働くのは得策ではありません。

少しずつ様子を見ながら、徐々にペースを上げていくことが必要です。

一人で抱え込まないで

休職や退職を余儀なくされるまで1人で悩んだり、つらさを抱え込んだりせず友人や同僚、上司や相談機関などに頼ってみることも必要です。

いきなり精神科や心療内科を受診するのがためらわれるのであれば、SNSなどで気軽に相談できるサイトを利用してみるのも1つの選択肢です。

厚生労働省:SNS相談等を行っている団体一覧

ストレスをため込まない…

文字にすればとても簡単なことのようですが、意外に難しいからこそうつ病を発症する人の数が増えているのです。

つらい現状を認識し、少しでも改善できるようにストレスコーピングをすすめていきましょう。

とは言っても、無理は禁物です!時には立ち止まってみることも大切ですよ。