実習に行く前に!感染リスクについて正しく理解しよう

病院やクリニックの医療機関では、感染のリスクが常に潜んでいます。

看護実習も教育の一環ですが、医療現場で行なう以上、感染リスクは現実的な脅威です。

今回はこの「感染リスク」についてリサーチしました。

感染リスクの基本情報から、その予防策や看護計画を紹介します。

感染リスクって?

感染とは、細菌やウイルスといった病原体が体内に入り増殖することを言い、それによって症状が発現することを感染症と言います。

感染源となる病原体は数多くあり、その感染経路も多岐にわたります。

医療・看護の現場では、日常生活とは比べ物にならないほどの感染リスクがあり、感染予防は行われているものの、院内感染などは後を絶ちません。

看護実習生も、感染症に罹患しないように、また感染源とならないように罹患状況の把握やワクチンの予防接種など、注意が必要です。

どのような状態の時が看護問題としてあげられるか

感染のリスクが考えられる患者さんの状態・症例を具体的に紹介します。

  • 栄養失調
  • 免疫不全(先天性・後天性)
  • ステロイドなどの免疫抑制剤使用者
  • 抗癌剤投与患者
  • 白血病などの血液疾患罹患者
  • 重症外傷患者
  • 広範囲熱傷患者
  • 放射線治療中患者
  • 糖尿病や肝硬変などの基礎疾患罹患者
  • 高齢者・新生児・未熟児
  • 人工呼吸器・カテーテル類使用者

これらの状態にある患者さんは、健常な人なら感染しない病原性の弱い病原菌にも感染(日和見感染)しやすい状態です。

見落としている事は無い??
”易感染性患者”を見逃さないためのチェックリスト

先程挙げた感染リスクのある患者さんを「易感染性患者(コンプロマイズドホスト)」と呼びます。

院内感染の被害を受けやすい「易感染性患者」を見逃さないために、よく観察する必要があります。

易感染性患者をしっかり見極めるためにチェックしたい項目を挙げてみましょう。

易感染性患者を見極め、しっかり把握しておくことは感染のリスクを減らす重要なポイントです。

□栄養失調状態ではないか?

□先天的・後天的に免疫系に欠陥はないか?

□HIV感染症ではないか?

□白血病などの血液疾患ではないか?

□抗がん剤治療中ではないか?

□ステロイドなどの免疫抑制剤を投与中ではないか?

□放射線治療中または放射線被曝ではないか?

□重度の外傷や熱傷はないか?

□肝硬変などの肝疾患はないか?

□ネフローゼなどの腎疾患はないか?

□糖尿病ではないか?

□悪性腫瘍はないか?

□膠原病ではないか?

□人工呼吸器装着中ではないか?

□カテーテル装着中ではないか?

【例文あり】感染リスク状態の看護計画の立て方

では、具体的に感染リスクのある状態の患者さんの看護計画を、例文を挙げて紹介します。

OP観察計画

気をつけるポイント
・発熱(熱型)や血圧上昇などのバイタルサイン
・悪寒や頭痛などの自覚症状
・カテーテル挿入部など部位の状況確認

▲例文
・前回検温時より体温上昇(38℃)
・寒気と吐き気あり
・術後の創傷が発赤

TP実施計画

看護ケアのポイント
・創傷などの部位を消毒などの処置を行う
・体温調節
・必要ならば与薬
・手洗いや消毒などの感染予防策

▲例文
・創傷の消毒をしたのちガーゼ交換
・悪寒を伴う発熱のため保温し経過観察
・発汗量が多いため水分補給をこまめに行う

EP指導計画

指導ケアのポイント
・自覚症状を訴えるようなら医師に申告するよう進言する
・手洗いやうがい、口腔ケアといった自分でできることの指導
・付き添いの家族に患者観察のアドバイス

▲例文
・頭痛と倦怠感があるとのことなので、医師に詳しい症状を直接申告するように言う
・家族や訪問者へのマスク着用や消毒の指導

自分の身は自分で守ろう。標準予防策を徹底しよう。

最後に、看護スタッフが感染することのないように気を付けるポイントを紹介します。

易感染性患者に接する時だけでなく、医療現場で日常的に行われる標準予防策(スタンダードプリコーション)の徹底が基本です。

スタンダードプリコーション

CDCアメリカ疾病予防センターが1996年に発表した標準予防策では…

感染の有無に関わらず、血液・体液、分泌物、排泄物、創傷のある皮膚・粘膜を介する、微生物の伝播リスクを減らすために、すべての患者に対して、下記の対策を講じる事を推奨。

  1. 手指衛生(手洗い消毒)
  2. 手袋着用
  3. マスク・ゴーグル着用
  4. ガウン着用
  5. 器具消毒
  6. リネン消毒

北海道大学病院が院内感染対策に作成した「北大病院感染対策マニュアル」が図や写真を用いて分かりやすいので参考にしてみて下さい。

感染症のリスクは医療関係者であれば、常に念頭に置かなければいけない問題です。

看護実習においても、実際の医療・看護と同じように感染リスクに注意し、安全で実りある実習に出来るよう心がけましょう。