これまで、看護大学や看護学部や看護学科のある一般大学への編入は、看護系短期大学の卒業生に限られていました。
しかし、1998年の教育法の改正により、看護専門学校卒業者の大学編入が可能になりました。
従来であれば大学の1年次、つまり一般入学者と同じように一から学びなおさなければいけませんでしたが、大学の3年次に編入することができるようになりました。
今回は、看護系大学の編入についてリサーチしました。
編入の概要や必要な資格、編入のメリットや現状について紹介します。
編入って何?

それでは、看護大学の編入とはどういったものなのかから紹介します。
編入の概要
看護学部・看護学科への編入は多くが3年次編入です。
そのカリキュラムは、基礎的な一般教養は少なく、より専門的な授業が中心となります。
一般的な3年次編入の概要を、国立の大阪大学医学部保健学科看護学専攻の2018年度の募集要項を例に紹介します。

国立大学の多くは、大阪大学と同じように選考試験の科目がかなり多くなっています。
一部の私立大学などでは、書類審査と小論文、面接だけという大学も少なくありません。
また、出願資格はどの大学でも共通のようですが、選考試験の時期や試験科目・内容などは各大学でまちまちです。
編入を希望する大学のホームページなどで確認しておくことが必要です。
ここに注意!

続いては、編入に際して注意しておきたいポイントを紹介します。
時期
前項でも少し触れましたが、編入に際しての選考試験や出願の時期は各大学で異なっています。
たとえば、札幌市立大学看護学部看護学科の2019年度生の募集では、出願期間が8/1~8/7で、選考試験は9/1に行われました。
鹿児島大学医学部保健学科看護学専攻の2020年度生の募集では、出願期間は6/24~6/28で選考試験は8/27に行われる予定です。
筑波大学医学群看護学類の2018年生の募集では、出願期間が9/3~9/7で選考試験は10/7に行われました。
一般の入試よりもかなり早い時期に募集が行われるので、編入を希望する大学の情報はこまめにチェックしておきたいところです。
目的
編入学を目指す人の目的とはなんでしょうか?
資格取得やスキルアップ、学歴のアップや就職のためと、各人によってその理由はありますが、看護師としてレベルアップを望むという意味では同じではないでしょうか?
他にも大学生活、いわゆるキャンパスライフに憧れてというような志望理由や、一般教養を深めたいという理由もあります。
いずれにせよ、ハッキリとした目的意識を持っていないと、編入しても学業が続かなかったり、自分のキャリアアップやスキルアップにつながらなかったりするかもしれません。
大学院に進み博士号を取るや、看護教員を目指す、助産師や保健師といった資格取得を見据えて、といったモチベーションの高さも必要です。
編入のメリットはなに?

では、看護系大学に編入することのメリットとはなんでしょうか?
年数
当たり前ですが、4年間通うより3年次編入なら最短で2年後には卒業となります。
一般入試で4年間を費やすより、早めに現場に復帰できます。
難易度
一部の名門や難関の大学でも、編入なら一般入試より容易に入学できることもあります。
専門学校や短期大学での経験が無駄にはならないのもメリットです。
資格取得
4年生大学卒業で取得できる「学士」、大学院卒業で取得できる「修士」「博士」の他にも、いくつか取得できる資格があります。
国家試験に合格する必要のある「保健師」、「養護教諭一種免許」「高等学校教諭一種免許」なども取得できる大学があります。
社会人
短期大学・専門学校卒業生以外にも、社会人にも編入の門戸が開かれています。
社会人としての経験などが選考試験で重視されたり、大学卒業者であれば取得単位が免除になったりすることもあるようです。
大学編入の実態

日本看護系大学協議会の調査「看護系大学の教育等に関するデータベース」によると、編入制度のある大学はやや増えています。

しかし、編入制度を利用して入学した人の数は減少傾向にあります。

看護教育の主流が短期大学から4年生大学へと移り変わり、編入制度を利用する志願者が減り、編入制度利用者は専門学校卒業者が多くを占めるようになっています。
看護大学編入は志願者が減少していますが、その中で編入を希望する人の「看護」に関する知識欲やスキルアップを望む熱は高くなっています。
編入してもっとスキルアップ・キャリアアップしたいのか?
今一度自分に問いかけてみて必要だと確認出来たら、編入したい大学の制度をチェックしましょう!
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