「患者やそのご家族と、より良いコミュニケーションをしたい」と思った方はいませんか?
「医療メディエーター」は、そんな思いに答えてくれる役割といえるでしょう。
ここでは、医療メディエーターを聞いたことがない!という方から、医療メディエーターになりたい!という方まで分かりやすく紹介していきます。
医療メディエーターとは
医療メディエーターは、患者側(患者・ご家族)と医療者側との対話を促進し、
意見や価値観の食い違いを助ける仲介役です。
病院などの医療機関内で、医療コンフリクト・マネジメントなどの手法を用いて
患者側と医療者との対話を促進し、良好な関係の再構築を支援・仲介します。
このような仕組みを「医療メディエーション」といいます。
医療コンフリクト・マネジメントってなに?
院内で起こった医療事故での不安や、患者側と医療者との意見や考え方の違いによって起こる対立を解消するための手法です。
「患者側が現実を正しく理解し、乗り越える支援をすること」が目的の一つです。

医療メディエーターになるために
現在、医療メディエーターになるための独自の資格はありません。
医療機関で働いている人であれば、看護師などの医療有資格を所有していなくても、医療メディエーターの認定を受けられることがあるそうです。
看護師や医師などの資格があれば、医療の専門的な知識を用いて、医療メディエーターとしてより働きやすくなります。
医療メディエーターは、数ある働き方の一つであると考えて良いでしょう。
活動していくためには、認定研修を受講して、医療メディエーターとして認定されるのが主な手法です。
主な研修制度
- 「日本医療メディエーター協会(JAHM)」による院内医療メディエーター認定研修会
~対象~
◆公募型の導入・基礎編→ 医療機関の職員であれば誰でも受講可能。
◆フォローアップ編→ 日本医療メディエーター協会に登録・会員になることが条件。
◆上級編→ 日本医療メディエーター協会が提供している研修制度。より実践的に学習したい人向け。
詳しくは、日本医療メディエーター協会HPで確認してみてください。
- 医療関係団体(病院など)
- 自治体で行われている研修
ご自身が住んでいる地域の自治体や勤務先の病院のグループなどで、医療メディエーターの研修がないかご確認ください。

医療メディエーターの仕事をのぞいてみよう!
医療メディエーターは、どのようなやりとりをするのでしょうか。ちょっと覗いてみましょう。
仕事内容
医療トラブルが起きた時に患者側と医療側両方と対話していくことが主な仕事です。
(患者側との対話例)
患者側
「この処方って本当に効果があるの?あまり感じられないが?意味はあるのか?!」
医療メディエーター側
「効果が感じにくいと心配になりますよね」
「何か変わったことはありませんか」
「不安になることは?」
「具体的に教えてくれませんか」
など、患者側の主張や意見などを聞いた後に「今処置しているこの方法は…」とやりとりをすることで、話を聞いてもらいやすくなるでしょう。
患者側は、医療トラブルが生じると感情的になることが多いです。
思いをくみ取り、受け入れることでスムーズにコミュニケーションを取りやすくなるでしょう。
働く場所
先ほど紹介した日本医療メディエーター協会の会員や、認定を受けたメディエーターは、医療機関に勤務している人が対象なので、勤務先は変わらないでしょう。
院内で起きたトラブルを解決していく形になると思われます。
必要な心構えは?
解決案の提示や代弁などはNG!
患者・医療者の両者が自主的に語れる環境へ導こう!
あくまでも、医療メディエーターは補助的な役割であり、メインは当事者です。
患者側から質問された場合でも、すぐに答えを出すのではなく、まずは患者側の主張や状況を受け入れましょう。
次に、医師の事情や事故に至った背景を聞き、それから両者の間に立って、話し合いを行いましょう。
認識・意見や情報のギャップを分析し、論点を整理して、両者間が自主的に語れるように問いかけ、導くことが大切です。
そのようなやりとりから、患者側の医療者側に対する本当のニーズを把握し、医療者側の事情も理解することで、両者間に信頼関係を取り戻せるかもしれません。
医療メディエーターは、今後の医療現場において、より良い関係を築く土台を作る役割として、さらに注目されるでしょう。
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